排水口のすみにいる

まさしく思考回路の掃き溜め

バチェロレッテ私的感想〜「自分自身といかに向き合ってきたか」が勝負の分かれ目?〜

※ネタバレ注意

※見た人向け

※4話時点での感想です

 

バチェロレッテ、見ました。

いやーおもしろかった!!!

萌子さん自身素敵な方ですし、ボーイズひとりひとりが演者として魅力的な人間ばかりだったので大変楽しめました。学ぶところが多すぎる。

このわくわくを他者と共有したいのですが、いかんせんわたしには友達がいないので、ひっそりせこせこ感想を書き連ねようと思います。

 

1. バチェロレッテ・萌子さんのパーソナリティ

 

まず、バチェロレッテ・萌子さんご自身のパーソナリティーが素晴らしい。

 

立ち居振る舞い、声をかける時のセンス、気遣い、ロジカルな考え方……。

 

過去バチェラーの良いところ(くぼりんのホスピタリティーの高さ、りんたろーの明るさ、友永氏の素直さ)がうまくミックスしているように思います。

また、人生を一緒に走ることができるパートナーを探そうとしている点も素敵。媚びない強さが見ていて清々しいです。

 

少し心配なのは、彼女が強すぎるということ。

大体の人間は彼女より弱いので圧倒されます。彼女くらい強い人というのは、どのくらいいるんだろう……。

彼女は、問いかけの多い人間でもあるので、その問いかけに対して自分なりの回答(すなわち、「自分自身」)を持っておく必要があります。

果たして運命の人は見つかるのでしょうか。

 

 

2. 2話〜4話のボーイズ選考基準について

 

4話まで拝見し、彼女の選考基準が、過去バチェラーと様相が違うように感じました。

過去バチェラーの場合、その人の容姿や属性で序盤振り落としにかかっていましたが、バチェロレッテではマインドやメンタル、人間としてのあり方を見る向きがあります。

女性の水着が序盤のメインとなったバチェラーと、体力勝負がメインとなったバチェロレッテの違いでしょうか。性差ですね……。

 

事実、彼女の男性への質問は、「バチェロレッテとどのように向き合っているのか」「あなたはどういう人なのか」が中心です。

この質問には、「今まで自分自身と誠実に向き合ってきたか」という問いも内包されています。

自分と向き合わなければ、自分自身のパーソナリティもわからないし、相手とも向き合うことができません。

「ボーイズ本人が、これまで自分自身と誠実に向き合ってきたか」が選考時に大きなウェイトを占めているにように思いました。経験値は財産という表現でもみてとれます。

 

 

3. 1000人斬り藤井さんと、「自分のあり方」について(考察と憶測を織り交ぜながら)

 

「自分のあり方」を追求する萌子さんの特徴的なエピソードのひとつとして、藤井さんとの1on1デートが挙げられます。

 

2人が己の将来像やあり方について語り合う中で、萌子さんが「わたしが質問をしてもはぐらかされているように感じる」と残念がっていました。

しかし、彼ははぐらかしているのではなく、それまで己のあり方や将来像について考えたことがなかっただけではないか、と個人的には感じました。

 

彼は、イベントオーガナイザーという職業所以か、「今ある環境をいかに盛り上げ、心地よくするか」を考えておちゃらけるスキルが高いです。

過去のインタビューを見ていても、明るいじぶんのことを集団がうまく回る潤滑剤として使っており、常に他者の視線を意識しパフォーマンスをしているような印象を受けました。

同時に、自分自身の、自分自身に対する内省をすることなくきたのかな……とも感じました。

 

事実、萌子さんとの問答を通して、彼は「僕は自分のことを知らなかったのだ」と悔恨する場面があります。おそらく、彼は他者からの反応に対しては敏感ですが、だからこそ自分自身の声を聞くことに対しては鈍くなっていたのではないでしょうか。

 

誤解をして欲しくないのですが、これって集団の中に属しているとよくあることなのです。

他者からの評価や視線を受けて、コミュニティに合うじぶんを作り上げる経験、ありません?

楽だし心地良いのですが、自分自身はどうありたいか、の彩度が低くなりがちです。

 

むしろ、(萌子さんのカウンセリング能力の高さが彼を導いた部分はありますが)「自分は自分のことを知らなかった」と気づけた藤井さんは本当に素敵だとわたしは思うのです。

 

周りの雰囲気を落とさないため「イケメンな顔が台無しになっちゃう」と最後までおちゃらける姿はみていてつらかったですが、ローズくんの腕の中で「力を出しきれなかった」と素直に吐露するシーンにこそ、彼のバチェロレッテにおける学びが詰まっているように感じて、泣いてしまいました。

 

4. 萌子さんは誰を選ぶのか?

 

さて、これまでのことを踏まえて、萌子さんが選んだ人をかれこれ1日考えているのですが、全く検討がつかない……。

 

ボーイズは皆魅力的です。

独断と偏見なのですが、コウコウさんは黒幕、スーツの人と料理人くんは仲の良い幼馴染みポジションで、画家さんはちょっと偏屈な天才、ローズさんはアイドルポジ、マラカイさんは助っ人外国人、金融くんは男友達の友達という印象です。

これがゾンビ映画だと、萌子さん以外全員死ぬなという予測がつくのですが、バチェロレッテですからね。

インタビューで「愛を育んでいる」という表現をしていたので、ギャルゲー目線で考えると友達エンドも濃厚な気がします。

 

少し気になるのが、萌子さんが男性陣に対してカウンセリングをしているシーンが多いということ。

バチェラーやバチェロレッテなど、人間性相対評価される(他者と比較し順位付けされる)場において、

「いかに自分自身を深いところまで伝えられるか」≒「いかに自分にとって悲しい話や重い話ができるか」になりがちです。

本当は≠のはずなんですけどね。

もちろん、悲しいことや辛いことを乗り越えた経験というのは、人間性に深みを与える要因になりうるのですが……。

人にお話をする際は、そこには自分なりの内省や相手への配慮がなければ、ただの相談や吐露になってしまいがちです。あと、萌子さんに自分の良いところを探してもらおうとしがち。萌子さんにぶん投げ過ぎ。

「カウンセラー萌子先生による人生相談」番組で終わるのではないかと少し心配しています……。

 

皆にとって良い旅路になれば良いなと願うばかりです。